We are neighbors at the lakeside.
余ったパンや野菜くずはカモたちにおすそ分け。餌やりでもエコでもなく、近所づきあいの感覚で。
ニュージーランドの食パンは、焼き型そのままのサイズが、20〜30枚切りになって売っている。パンの両端の部分もそのまま入っている。旅行中に買うにはちょっと勇気のいる大きさだ。みんなで食べても必ず残ってしまう。日本の正方形にカットされた6枚切りの食パンのなんとムダの出ないことか、とも思ったが、この余ったものが、思わぬ楽しさを生み出してくれることもある。
ネルソンという町では、滞在していたアパートのすぐ裏を小さな川が流れていた。川沿いの道を散策すれば、いろいろな木が生い茂っているし、川にはカモやカモメがぷかぷか泳いでいた。その光景に私たちは余った食パンを持って餌をあげることを思いついた。
パンを小さくちぎって、鳥たちにむかってほいっと投げる。遠巻きに集まってくるカモメ、距離感をわきまえずにずんずんと近寄ってくるカモ。全てはこの手中にあるパン次第と、2歳の娘も大喜びでパンを投げる。思わぬはしゃぎっぷりに、余ったパンを鳥たちにとっておいて散歩に持っていくのは、それ以降私たちの日課となった。
川や湖のほとりはもちろん、キャンプ場のような場所には大抵カモが住んでいる。野外のテーブルでごはんを食べていると、群れをなして集まってきては餌をくれとテーブルの上にまでのる勢いだ。私たちのパンを食べつくすと、隣のキャンピングカーの家族のテーブルへと順番に移動していく。なんて厚かましい、と思いながらも、次にカモが来たときのために…とパンをとっておきたくなるから不思議だ。
ちょっと鳥たちにあげてみようかという気持ちにさせてくれる、パンの端っこという存在。残さず食べることも大事だが、こうして身近な他者の存在を意識することも、心にちょっとしたゆとりを与えてくれる大事なことなのではないだろうか。
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